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10:58:06 | | page top↑
boys love novel
2006 / 07 / 09 ( Sun )
半世紀という永い時刻を経て
彼女の生命は総ての動きを止めた 
大切な想い人を膝に抱いた終焉は
豊かな微笑みに満ち満ちていた

ねえ、ユウ
僕達にも、いつか終わりが来るのかな…?


彼の手が僕の髪に絡んで、その指が柔らかく滑る 
僕だけが知るこの人が、少しだけ照れた表情を見せる
ふいに僕は哀しくなってその胸に顔を埋める
滑らかな肌に不似合いな漆黒が眼に痛くて、僕は其れが彼の呪縛だと知る

「ケガは、だいじょうぶ…?」
「たいしたことない」
「でも、全治5ヶ月だっ…ぁん…っ」

無理矢理に塞がれた唇が声を失った 
滑り込む舌先から、彼の唾液が熱を帯びて伝わってくる
こんな遣り方、何処で覚えたの? 
そんな嫉妬が僕を襲って、だけど、答えは聞きたくない  

「…んっ…っ」
「……」
「ぁ…ふっ」

溶かされる頭が、ぼんやりと考える
彼は自分を話さない、消えている傷の理由も教えてくれない
いつだって肝心なことは黙ったまま、口から出るのは僕への皮肉と揶揄ばかり…

「平気かどうか試してみろよ」
「…えっ?」
「朝まで、犯し続けてやろうか?」
「そんなこ…ぁあ…っ」
 
月明かりの下、彼が低く笑う 自嘲のようにも想える表情だった 
組された身体から衣服が剥ぎ取られる そして彼自身はすべてを脱がず、僕の下肢を拡げていく

「や…っ、こんな…格好…っ」
「いい眺めだな 他の奴等が見たら何て言うか、さぞ可愛がってくれるだろうぜ」
「他の、誰かなんて…関係…な、いっ」

どうして、ふたりきりでいるのに他の誰かを言葉にするの? 
うつ伏せの体制で、腰ばかりが引き寄せられる 
暖かい抱擁も、柔らかな愛撫も、何も…ない…

壊されると、そう怯えた瞬間、起立した肉塊が後ろに宛てがわれた 

「あ、あぁー…っ」

裂かれるような挿入に、準備のない後蕾が悲鳴を上げる 容赦がない、こんな仕打ちは初めてだった  
苦しくて、切なくて、身体の痛みがこころにまで響く 僕はシーツを握り締める 
 
「や、ぁっ、おね…が、い…」
「……」
「ぁあ…っ、ユ、…や、めて…っ」

僕の懇願は届かない 身動きの取れない状態で、彼が幾度も突き上げてくる 
逃れる術も、何も、ない これは何かの罰なのか、されていることが解からなかった 

「そんな顔で頼んでも、逆効果だぜ」
「…い、や…っ」
「何がイヤなんだ? こんなに締め付けといて、よく言うぜ」

翻弄される身体が、彼の動きに呼応する ぜんぶ、この人に教えられた
いつだって僕だけが喘いで、僕だけが達して、そして、きっと、僕だけが…

「いい身体だな、犯されるほうが感じるんだ?」
 
僕を嘲る彼の言葉に、身体とこころが分離していく 求められているのは、悦楽だけだと痛感する
焼かれる箇所に、涙が零れそうになって 置き去りにされる思慕に、僕は感情が抑えきれない  

「ユ、ウ…」
「……」
「もう、止めて…」

凍えるこころで、彼の瞳を見つめた 其処には、感情の読み取れない、怜悧な孤高だけがあった
闇ほどの深い慟哭が僕を戸惑わせる 解からないことが多過ぎて、僕には彼が見えない

「なんだよ、アレン もう降参か?」

普段は呼んでも貰えない、こんな時だけ僕の名前を口にして、彼がゆるりと動きを止めた 
乾いた身体が気遣いもなく引き抜かれ、内腿を何かが伝った 紅く染まるシーツに、僕は唇を噛み締める

「必要なのは、僕の、身体だけ…?」
 
潤んだ瞳が、聞かずにはいられなかった 僕は、何を願っているんだろう こんなこと、応えてくれる、彼じゃない 

「解かりきった事を聞くなよ お前だって、ヤリたいだけなんだろ?」 

想像を超えた彼の言葉に、こころが…、壊れる音がした 硬質な視線が、射すほどに痛かった

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